2024年9月3日
あなたが必要だよ(園長より)
♪とんぼのめがねは 水いろめがね青いお空をとんだから…♪暑い夏が少しずつ過ぎ去ってトンボの舞う季節になってきました。2学期が始まり、子どもたちは毎日元気に過ごしています。保護者の皆様にはいつもご支援いただき感謝申し上げます。
朝、園門にいると「おはようございます」の爽やかな声が響きます。台風が過ぎ去って、心地よい風が吹いています。「気持ちを新たに」という言葉がありますが、子どもたちは自然の変化と共に、秋色の目の輝きを放しているようです。始業式で子どもたちに「みんななかよしでいましょう」という話をしました。園が楽しくなるのは、自分を認めてくれる先生やお友だちがいるからです。どんな環境でも、お互いの心が通い合うことを一番大切にしたいと思います。
先日「子どもの宇宙」(河合隼雄著:心理療法家)という本を読みました。その中に出てくる2歳のひろしくんの詩を紹介します。
おほしさんが
一つでた
とうちゃんが
かえってくるで
【ひろしくんにとって、とうちゃんは空に輝き出てる星であり、そしておそらく、この父親にとってもひろしくんは希望の星なのだろう。2つの星は宇宙の中で輝き合い、交信し合っている。2歳の子の無垢なつぶやきが見事に表現している】とありました。
お父さんが帰ってくのを今か今かと待っているひろしくん。お父さんの帰る音がすると「おとーさーん」と駆け出して行くひろしくんの姿が浮かびます。そして、書かれてはいないのですが、その後の2人の幸せな物語が想像できます。お互い大好きな2人の姿に「あーいいな」と感動します。園でも、こんな保育者と子どもの関係があればみんなが楽しくなれるかなと感じます。
著書の中にはこのような内容もありました。【子どもは、「あなたが必要だ」というたった一言を親から聞きたいがために、憎まれっ子だったり問題行動を起こしたりしているのだ】と、ありました。子育ての中で、時には反発されたり、思うように気持ちが伝わらなかったりする場面もあるかと思います。私も子育ての中で多くの経験をしました。でも、やはり大切なのは、「あなたがとっても必要なんだよ」という気持ちをいつも見失わないことだと思っています。
さあ、昭和っ子たち、みんななかよく 楽しく駆けていきましょう!